目に涙が滲むほど、霞む視界。 飛鳥の背中はよく見えないのに、周りの笑い声は何故かはっきり聞こえる。 わたしを小馬鹿にする笑い声は、更に胸を痛くさせる。 飛鳥に拒絶された現実が、無情にも突き刺さる。 俯いたとき、繋がれたままの芽留ちゃんの手に引かれ、いまだクスクスと笑う野次馬を掻き分けて歩き出す。