「…だから、何だよ」 「…あ、すか」 「…お前のダチのことなんて知るわけねえだろ」 坦々と言われ、唇を噛み締める。 そりゃあ、飛鳥にとって芽留ちゃんは初対面も同然。友達でもなければ知り合いでもない。なんら所縁もない、ただの女子。それなのに彼女の身を案じろだなんておこがましいにも程がある。 でもそれは、わたしにとって“想定外”だった。 …わたしも、彼にとっては“ただの女子”なのかもしれない。