学校で飛鳥に関わるのは、これが初めてだった。
廊下でスレ違っても目を合わせることもしなかった。
そんなわたしが『飛鳥』と、親しげに名前を呼ぶのは可笑しい。
しかし呼んでしまった手前、引くことが出来ず、そのまま話し掛ける。
「や、止めて欲しいの…!そういう、悪口を言ったり、手を出すことは止めてっ…?め、芽留ちゃんはわたしの友達だから!“A組だから”“E組だから”とか関係なく仲良くしよう?」
「紗絢、ちゃん…」
「い、いまだって芽留ちゃん怪我するかもしれなかったんだよ?それなのに笑ってるなんて可笑しいよ…っ」
不安げに見つめてくる芽留ちゃんの手をギュッと握り締める。

