俺を嫌いになればいい。






恋愛映画と分かった途端、自分の恋愛観を語り出した芽留ちゃんを尻目にぼんやりしていると肩を叩かれた。





「よ、紗絢」

「…廣木君」

「遅かったじゃん」





どうした?と聞いてくる廣木君にグッと胸が熱くなる。そう言えば事あるごとにこうやって心配してくれる立場は、彼だった。