「…悪い。何でもない」 困ったように眉を下げていれば、飛鳥君からはぐらかした。 繋がれたままの手に力を籠め、更に強く繋ぐ。離れないように。 「…好きだ」 「…」 「…好きだ、紗絢」 「…うん。 わたしも、すき」 そう言えば、手を引かれて飛鳥君の胸元にすっぽり収まる。 ばしゃ!と舞った水飛沫はきらきら光り、幻想的だった。