俺を嫌いになればいい。






「慶翔じゃねえと、ダメなんだ」





水面がゆらりと揺らめく。



顰められた眉に、唇を噛み締める。





「好きな女と同じ高校に行きてえと思ってなにがわりいんだよ」

「…っ」





じわじわと内から沸き上がる“何か”



慶翔高校を選んだ飛鳥君が正解だとは言えないのに『―――私も』と言ってしまいそうになった。