俺を嫌いになればいい。






身体を水に任せるように浮き、月を眺めた後、少し離れた場所からわたしに言う。





「…俺、慶翔高校を受ける」





聞き間違えじゃなかったらしい。わたしは戸惑いを隠せず、眉尻を下げる。



だってそこは、わたしが受験する高校だから。