俺を嫌いになればいい。






「…紗絢」

「…うん」

「…紗絢、

紗絢…」

「なぁに?」





何かを噛み締めるように名前を繰り返して呟く飛鳥君に、優しく返事をする。





「…何でもねえ。ただ、」

「…」

「…お前の傍は落ち着く」





眠たそうだった目が閉じられる。