「…なんとなく、分かってた。
毎回便箋に丁寧なメッセージを添えてプリントを届ける女の性格を。お袋の話から弾き出される“委員長”の雰囲気を。
だから偶々学校に行った二年の夏頃、一目でお前が“委員長”だと分かった」
そして忌々しげに舌打ちされる。
「…なんとなくは分かってたんだ。
お前がただの“委員長”じゃねえ事くらい。好かれすぎるお前を見たとき、腸が煮え繰り返りそうだった」
「そ、そんな…。わ、わたしは普通だよ!」
「…どこかだバカ。ちょこまか動く小動物の癖して、中身は群がる動物を世話するお人好しだ」
…まさか、ずっとそんな風に思われていたなんて知らなかった。

