「へえ、そうなんだ。どうして?」


「アルミって熱伝導いいから冷たいものはより冷たいし、

温かいものはより温かくなるわけなんだよ。」


「ああ。そういえば小学生の頃そう言う実験あったね」


「だろ?

それに、プルトップを開ける音。


飲み終わった後に空き缶になった後指でこうペコっと押したり、

屑かごに捨てた時とかに聞こえる乾いた音とか良くない?


なんかペットにない贅沢感を感じるんだよね。」


「?、う~ん分かるような、

判ってあげたいような?」



「あははっ、分かんなくっていいよ。

 いわゆる変なこだわりってやつだから」


照れながら頭を掻く。


「ふふっ、

 そう言うのうれしい。」


「え?」


「私、

なお君のそう言う小さい色んな事いっぱい知りたいな。


 私たちってお互いちょっと遠慮してるとこあったでしょ、


こういう小さい私しか知らないことが増えるって、

なんかすごくうれしい」


「そうかあ。そう言うものかあ」


「ああ、でも私ってみんなしゃべっちゃってるね。

あはは、もうないかも」


「そんなことは無いよ、

 俺はしのちゃんのいろんな知らなくて知りたいこといっぱいあるよ」


「たとえば?」



私の問いに暫く押し黙ってしまった直君は、

一気にごくごくとジュースを飲み干すと、

ぐしゃりと缶をつぶした。



「しのちゃんがどうしたら喜ぶかなとか、



……



 どうしたらその……







できるかなとか」



「できるって?」





「それ、  聞く?」


「え?」


私をまっすぐ見つめる瞳は、


少し不安そうで、

私の答えを待ってるみたいだった。