「それで?何か感じたことは他になかった?」

「あ、そうですね、もっとデコレーションとかそういうの磨きたいって思いました」


「うんうん。それから?」


「私の作品には驚きがないのかなって」


「へえ?そう思ったんだね。上出来。

 じゃあ、その驚きをプラスして、

 デコレーションを工夫したら今月の新作として並べよう。


新作ショコラノアール、しのちゃんのデビュー作」


「は、はい!」


そうだった。私は賞にこだわったけれど、

ここに並べてもらって、

お客さんに買ってもらうことが目標だったんだ。


夢がそこに待っていてくれてたんだ。

私の思いを込めたケーキを直君に食べてもらうって夢が

叶えられるんだ。


それに、ふふ……


またなお君と……ふふっ