ショコラノアール~運命の恋~

あらかじめ作ってきた部品を組上げて、

作品を作る。


最後のチョコでかたどった大きな羽を挿し金粉を一振り。





白い大きなプレートの上に、

ブルーベリーソースとカスタードソースで模様をつけその上に

出来上がったケーキを指定された十個並べて乗せ、ミントをあしらう。


「できた」


私が審査台の上に陳列すると、

他の人たちも並べ始めた。


エディブルフラワーやフルーツがふんだんに飾られて華やかだ。


私のケーキは名前の通りノアール。


チョコベースの黒一色。他の人と比べると地味な気がして、

また心が委縮してしまう。


でも、


此処まで来るまでに材料や細部に至るまでこだわって作った。


ダメだとしても悔いはないんだと思いなおした。


このケーキは私自身。


ううん、私の心。


なお君、私はあなたと出会って少し変われたんだよ。


誰も私を見てくれてないって、
判ってくれないんだってずっと思っていたけど、

貴方は私を思ってずっと探していてくれた。


そして見つけてくれた。


黒は何者にも染まらない。

凛として潔く美しい。


この作品を作りながら、

はっきりとした思いに気づいた。




ショコラノアール

いつか貴方に食べてほしい。


貴方と私の恋のケーキなのだから。