二十歳の誕生日、
パパは話してくれると約束していたはず、私の本当を。

ずっと、黙っていた本当のこと。

知らないであれこれ詮索するより、

きちんと真実を知った方がいいに決まってる。

……の、はずなのだけど、

心臓はバクバクと、

不安で爆発しそうだ。


私がこの家の子じゃないことはもう、知っている。

もしかしたら、もう一緒に暮らせなくなるかもしれない。

住民票の『養子』の文字が頭の中をめぐる。


最悪の事は覚悟している。

すぐに出て行けとは言わないだろう、
自立して生活していけるようになるまでは、置いてくれるように頼めば……


「え?」


居間の襖をカラリと開けると、

暗い部屋の真ん中、テーブルの上にシュルシュルと光りながらケーキを照らす花火と、

20を形どられたろうそくの明かり。


「サプライズ!」


パンパンとクラッカーの鳴る音。

「あ……」

電気がつくと、

わたしをぐるりと囲む人たちが。

お姉ちゃん、ごろちゃん、陽君

それに……ママ!?

「ママ!」