「うま、なにこれ、

初めて食べる食感。

ざくざくなのに、ホロホロで、

チョコレートなのにしっとりで、

甘くないのに甘い風味」


「ふふ、ラング・ド・シャクッキーの魔法だよ。

アーモンドスライスと重ねてチョコレートコーティンクしたの。

ざくざく感のこしたのホロホロなのは、
砕いたクッキーにバターをませてオープンで焼き直したの。

でね、チョコレートって思ってるのはブラウニー。

それでね


……なお君」


フンフンと聞きながら味わっている俺を見る彼女は、

切なそうな顔になる。



「私が大切に思うものは、

私の所からいなくなるの。

いつか

なお君もいなくなるのかな?」