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「本当にいいの?」


「いいのって言うか

 来てもらわないと説明できないから」


きちんと話がしたいからと家に招かれた俺。

ただいま彼女の家に向かいバスの中。

昨日付き合いだしてもう彼女の家訪問とか、

ちょっと飛ばしすぎじゃないんですかね俺たち。


「次 降りるからね」


ドッキーン

心臓バクバクなんですけど。


「あ、家には誰もいないから心配いらないから」

誰もいないですと!

や、やっぱりまずくない。

誰もいないお宅にあがりこむとか。

「あ、いたんだった。

 ヤツが」


「やつって、さっきの?」


「そう、そう幼馴染の陽君、

 昨日久しぶりに会って、

 その上押しかけ居候なのよ」

「い、一緒に住んでるの?」


「ち、違うのよ!

 だから、昨日から押しかけでよ?

 私は承認したわけじゃないの誤解しないでね」


「う、うん……」

昨日から、

しのちゃんがそいつに再会したのも、

俺たちが付き合うって決めたのも、

それでもって、

葉月ちゃんと友達なったのも、


全部昨日だ。

悪いことならよく天中殺とか言うけど、

いいことなら吉日?

いいことかどうかはよくわからんが。


とにかく俺たちはそれぞれひどく凄く濃い一日をすごしたんだってことだ。