ちょっと生命の危機を感じた。


「今日はありがとう。

お陰で助かったわ。

父さんが誤解しちゃってめいわくかけてごめんね。」



「いや、こちらこそ。

沢山貰ってかえって悪かったね。」



「でも、残念。

せっかく友達になったけど、

彼女に悪いからあまり仲好く出来ないね」


『そんなことない』

って言おうとしたけど、

しのちゃんが友達だからって他の男と仲良くしてたら、

やっぱり嫌だし、


「そうかもね」


「ふふ、じゃあ男の純情が少しでも長く続くように、応援してる。

でも、

もし別れるようなことがあったら、

慰めてあげるね。」


「別れねーし」


「あはは、バイバイ」


手を振って、歩き出したけど、

なんだか名残惜しいと思うのは、

好意みたいなものを感じてたんだろうな。

あの後、しのちゃんに会わなければ、

もしかしたら……


ったく、ダメだよな。


恋愛経験ないからはそういうの全く無縁だったし。