ショコラノアール~運命の恋~

わらしべ長者という昔話があったっけ。


ポケットには配達先でもらった缶コーヒーと、駄菓子。

両手にメロンバンとカレーパンと焼きそばパン。

すっかり気を良くした、

南条父が、売り物のパンをごっそり持たせてくれたのだ。


『ははは、そうか男の純情か、

それはよかった!

いやあ、運んでもらって悪かったね、

そうだそうだ、これを持って行きない、
これ、うまいぞ、
おお、これも、これも持って行きなさい。

わはは、そうか良かった良かった!

ははは、ははは、ははは』


「ははは……」


疑惑が晴れて……良かった