ショコラノアール~運命の恋~

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本当に下心なんてなかった。

彼女、葉月さんの存在がちょっと嬉しかったのは否めないけど、

友達に手を貸してやるっていう気軽な気持ちだった。


でも、それは何処にも証明してくれるものはないものだ。


第一に疑われたのは、


「ただ今?


あれ?

なお君どうしたの」


パン屋の壁にドンとされている俺。

相手はパン屋の御主人、

葉月さんのお父上だ。



「あー葉月さん助けてっ」


「とうさん何してるの?」



「なんだこいつは。付き合ってるのか」


「違いますって何回言っても信じてくれなくて」


「パパーっさっき電話いれたでしょ?

そうやって私の男友達みんな牽制しちゃうから彼の一人も出来ないんでしょ。


それに、なお君はやっと出来た男の子の友達なのよ!」


「友達?」

「そうよ。友達なのよ!」

「本当か?本当にそうなのかな?」

壁ドンの力を緩めずグイッと顔の距離が近づき

取って食われそうな勢い。


「は、はい!

 か、彼女もいますので、ご心配には及びません!」

「え?」

「あ、例の、

 ほら探してた彼女、

実は昨日見つかったんだ。」

「きゃぁああーーーーっほんとに!

凄いっ!良かったわね!」

「ははは……」


「そうか彼女がいたのか!はははっ!!」

ようやく壁から解放された。