ショコラノアール~運命の恋~

無事機械を納品したら、

すごく感謝されて、

缶コーヒーだの、クッキーだのポケットに詰め込まれた。

小さな工場だけに、機械一つでも機能しないと大変なんだそうだ。

どうやら修理に出す代わりの代替えの機械らしかった。

この仕事のいいところだといつも思う。

人と繋がれる仕事っていいよね。

将来

どんな仕事だったらこういう思いができるんだろうか。

選択の時期はもうそこまで来ているんだが、

いまひとつ自分に合った仕事に就くと言うことにぴんと来ていないんだ。


「あら?」

聞き覚えのある声に振り向くと、

「やっぱりなお君だ」

パン屋の南条葉月さん。

俺ビビって彼女から逃げ出しちゃって、それっきりだった。


「ええ、この間は」

ぺこりと頭を下げる。

「ああ、そうだよ、私あの時なんかしたっけ?」


「いや、その、と、トイレに行きたくて」


「トイレ?あ、そうだったんだ、

 私なんか変なこと言って怒らせちゃったのかと思ったよ。良かった

 生理現象じゃしょうがないよね」


「いや、すみませんです……」



実は、違う性的生理現象が起こっていたんですよ。

とは口が裂けても言えない……