紗雪side


その横でもう一人の私を

見つめる侑磨の、姿。

泣きそうになっていて

気づかれないとわかっていながらも。

透けた手で私は侑磨に

抱きついていた。

大丈夫。


私、必ず戻るから。


でも、道のりは遠くて。


走っても走っても抜け出せない。

私、
本当にどうなっちゃうの?

死んじゃうのかな?


今までにはなかった

死への気持ち。

恐怖感を思いやられた。