ドキドキしながら初めての
男の子との二人乗り。

その大きな背中に埋もれて
シャツごしに温もりを感じる。

巧矢の友達が自転車で
追い越してきて
あたしの方をじっとみた。

「猪戸、彼女できたのー?」

あたしは初めて見る男友達に
ぺこっ。と頭を下げて、

"カノジョ"といわれて
少し照れくさくなった。

ぎゅっ。

なにげなく捕まる手を
強く握りしめた。

それに気づいたのか、
背中に捕まるあたしに
おーい。って話しかけて


「なぁに?」

「あんま強く掴まれるとさ...
なんかちょっと恥ずかしいんだけど///」

「あっ、、ごめん」


ぱっ。と咄嗟にシャツの
裾につかまった。

「や、、いいよ///
恥ずいけど、、危ないから
ちゃんと捕まっててな、、?」

どきん。

自転車をこいでる巧矢の
顔は見えなかったけど
後ろにいても

照れてるのがわかった。


そんな彼が愛しくて


(だいすき♡)

心の中でそうつぶやいて
ぎゅっと背中につかまった。


しばらく自転車で進んで
近くの堤防に着いた。

橋の下で花火をすることになった。


河川敷に持ち合わせた
花火セットをたぐりよせる。


「よーしやるかあ!」


友達の声でみんなが
それぞれ花火を選んで火をつける。


カチッ...

バババババババっ


「よっし着いたあ!」

「ちょっとあたしのにも
火ぃわけてよー!!!!」

「あ、俺これやろー」


次々に火が付けられて
暗闇だった場所が一気に
明るくなった。


ふっ。と横を見ると
巧矢が微笑んで花火を手渡した。

「ほら、俺達もやるぞ!」


「うんっ。」


花火に火がついた。
鮮やかなピンク色の光と
黄色の光が放つ。

「うわぁ...♡綺麗...♡」


今年初めての花火で心が癒やされる


あっ。という間に火が消えてしまい
新しい花火をとりにいった。


花火を2、3本手に取り、
暗闇にしゃがみ込む巧矢の元へ
駆け寄った。


「はいっ。花火持ってきたよ。」


「おっ。さんきゅ~」

「なにしてたの?」


あたしの問いかけに黙って
花火を手に取る。

「これみて。」

カチッ

花火に火をつけると
しゃがみこんだ地面が灯りで
照らされた。


うっすらとコンクリートに
花火の焼けた跡がみえる。


「ん?」

「読んで」


目を細めて照らされた文字を読む。


「す.....き....!、、すき?///」

あたしをみてこくんと頷いた。


かぁぁっと顔が熱くなって
ぱっ。と顔をそらした。


「吹き上げすっぞー!!!!」


隆弘が声をあげた。
それを聞いて巧矢が立ち上がって
あたしをつれていった。


あたしは近くにしゃがみこんで
吹上の花火に火がつくのをまった。


すると、巧矢がこっちに
近づいてきて


「こっちきて?」

「え?」


手招きされてしぶしぶ歩み寄る。


友達が集まってあたしたち
二人を囲んだ。


「え...?なに!?」


「まぁもう俺の気持ちは
わかってるとは思うけど...さ。

大事なことは直接言うよ。」

「.../////」




「、、俺と付き合ってください///」



「////!!」


顔を赤くして手を差し出す。



「、、、はい///喜んで///」

ひゅーひゅー♪

周りにいた友達が拍手と
口笛で祝福してくれた。

シュババババババババッ


とたんに後ろから吹上が打ちあがる


あたしは嬉しくって
今日のことは絶対に忘れない。

心に、目に、しっかりと
その時を刻んだ。