居酒屋を出ると雨は降ってないものの風が冷たく、空もどよんと月が隠れていて。


便所してから出ると言った和哉を居酒屋前にあるガードレールに腰掛けながら、風にあたりそんな空を見上げる。





「はぁ…」





ドレスの上に軽く羽織ってるとは言え少し寒い…


アルコールを取ってなかったらブルッと震えたかも。


入り口から和哉が出てくる姿が見えてガードレールから降りたそんな私に気付き近付いてくるなり。





「これ着とけ」





スーツの上着を私の頭に被せるように投げ付けてきた。





「え、和哉?」

「俺はあちぃから」





そう言った和哉はシャツの袖口ボタンを外しながら、スタスタと私の家がある方へ足を進めていく。