陸の両親が病室に戻ってきた。
「何もなかったって〜」
といいながら笑っている。
でも、お母さんの目が腫れている。
…とても気になった。

病室から出た瞬間
お母さんが声を押し殺して
泣き出した。
お父さんも涙ぐんでいる。

「どーしたんですか!?」

私はおもわず聞いてしまった。

「…実はあの子、心臓病なの」

お母さんが泣きながら言う。

私の頭の中は真っ白になった。
しばらく、その場を動けなかった。

「え?陸は助かるんですか…!?」
お母さんに聞くと
首を横に振る。
「わからいの。」

その言葉を聞いた瞬間
涙が溢れてきた。

もし…
もし陸が居なくなったら…

そんなことばかり考えてしまう。