俺を振った事は祐子さんに言わなかったくせに、告白したことは言うのかよ。都合のいい奴だな矢野は……。


 チッ――と心の中で舌打ちをすると、目を輝かせている赤崎を横目にコーヒーを作り出す。


「なぁ!どうなんだよ!教えてくれよ!」


「だから知らねーって」


「知らないわけないだろ。教えろよー」


「俺が聞きたいつーの。それに昨日のは告白と言うより宣言って感じだし」


「なになに?矢野さんどんな事言ったの?」 


 赤崎の言葉に、お湯を入れスプーンでコーヒーを混ぜていた手が思わず止まる――。