ゆっくり起き上がり、ソファに座ると箱からロールケーキを取り出した。 フワッと甘いバニラの匂いが鼻を掠める。 丁寧な事に食べやすいようにロールケーキは小分けに切られていた。 その一つを手に取り口に入れる。 「……うま」 誰に聞かせる訳でもなくボソッとそう呟いた――。 ―――――――――― ――――――