絆愛は考えていることが全部顔に出る。
てか口に出てる。


「学力普通…運動普通…
容姿最悪…性格最悪…」


また言ってる。


「それが私…。」


絆愛はいつもこう言うけど、
私は全然そんなことないと思う。



学力はすごく良いわけじゃないけど、
全教科85点以上は当たり前。
だから普通なんてレベルじゃない。


運動だって、リレーの選手候補に
なるくらいなんだから足は速い。
しかも中学のときは陸上部エース。


容姿最悪って、どこが!?
くりっとした目、通った鼻筋。
細い顎に、さらさらな髪。
足だって細いし、
背も小さめで可愛らしい。


性格最悪なんて有り得ない。
妄想癖はあるしちょっと変わってるし、
いつもオドオドしてるけど、
すごく良い子。
優しいし、気遣いは出来るし。


だけど、そう言ったって
全然聞いてくれない。


だから私はいつも知らんぷりをする。


絆愛はいつも下を向いていて、
綺麗な髪で綺麗な顔を隠す。


そのせいで周りから
たくさん誤解を受けている。


「暗くて地味」


そんなレッテルを貼られる。


でも、絆愛は私がいれば充分だって
言ってくれてるし。私もそれでいい。


誤解を受けていても
いじめられてるわけじゃないから、
問題無い。


何より、絆愛の良いところは
私だけが知っているって、
そのことに誇りがもてる。