泣く心【本編】

慎「そうか…」


俺は湊川の隣に座る



類「あの…総長がここに居ていいんですか?向こうの方が楽しいですよ?」



慎「…あいつらとは十分遊んだ。俺のことは気にしなくていい」



類「…そうですか」



それきり沈黙が続く


遠くであいつらがはしゃぐ声が聞こえてくる

波音が一定のリズムで流れている



なんかこういうのって…



慎「…眠くなってくるな」


類「…そうですね」


ちらっと湊川に視線を移せば
ぼんやりと海を眺めていた



慎「お前そのかっこ、暑くねぇのか?」


類「…………」



湊川は水着を着ていると思っていたが、7部丈のシャツにジーンズを履いて
真夏には見てるのも暑くなる格好をしている



慎「………おい?」


返事が返ってこない


…寝てんのか?



類「………これは、」



虎「ちょっとちょっとー、ふたりしてこんなところで何してんのさー」


ひょこっと岩の上から顔を出して覗く虎春


慎「なんだよ」



いつものパターンに少し睨みがちになってしまう



虎「あれ?類ちゃん水着じゃないじゃーん!何で?」




こいつ…相変わらずストレートだな

せっかく俺が遠回しに聞いてたのに



湊川がこういう格好をしているのは何か理由があると思う


そういうのを言い合える関係を作りたいんだがな…




類「…寒かったので」



虎「え……いやいやいや…何言ってんの?類ちゃん」



目の前の海がなければウザいぐらいのこの暑さの中でそんな発言をした湊川に戸惑う俺たち