空一面に広がる青い空。
そこには飛行機雲が出来ていた。
あたしはそれを窓から眺めている。
窓から入る微風がとても心地よくて眠気に誘われる。
……と、そこへ

「葉月〜」

声と同時にドアが開く。

「な、何よ、ノックもなしに…」

そう声の主に抗議をすると

「あ?いいじゃねぇか別に。いつもの事だろ?」

と、軽く受け流された。
この無神経な奴はあたしの幼なじみの川原 樹。

「…もういいわよ。で、何?」

「そうそう、金曜に宿題出てただろ?英文訳すやつ…。お前もうやったか?」

「え?そりゃあね。英語好きだし」

「やっぱな。じゃあ見して!」

「はぁ!?じゃあって何なのよ?第一見せる訳ないでしょ。自分でやれ!」

「いいじゃねぇか〜!なっ葉月♪」

そう言って机の上に置いてあるノートを取ろうとする樹。

「ちょっと!宿題は自分でやらなきゃ意味ないじゃない!」

「堅い事いうなって!」

「い・や!」

そう言って樹より先にノートを取るあたし。

『………』

暫しの沈黙。