「縁結びって素敵ね。名前も初姫って可愛いし」
「だよな。実は初姫神社には、もう一つ御利益かあるって言われてるんだ」
「もう一つ?何、何?」
すると、圭介ははにかんだ笑顔を浮かべた。
まるで、恥ずかしさを抑えているみたいに。
「子宝…だよ」
「子宝!?」
思わず声が大きくなってしまったのは、圭介の口から『子宝』なんて言葉が出たから。
ドキドキしながら圭介に目を向けていると、話を続けてくれた。
「初姫って名前に変わる前、結婚前のカップルが神社に来て、その後めでたく結婚をした。そして、その後お礼に訪れた新婚夫婦は、子宝に恵まれたって話だ」
「素敵…。素敵すぎる」
目を輝かせるわたしに、圭介はチラリと苦笑いを向ける。
「それも、偶然にもみんな赤ちゃんが女の子だったらしい。だから、初めての子供が女の子、つまり『姫』ってことで、初姫神社という名前になったってことだ」

