栞里さんは、結局は涼太さんと結婚してロンドンへ行っちゃったし…。

「もし、圭介がわたしと付き合ってなかったら、今頃は圭介がロンドンへ…」

と言ったところで、怖い顔の圭介に手で口を塞がれた。

「そういう考え方は嫌いだな。オレは、ほんの一瞬でも、そんな風に思ったことはない」

「うん…。ごめんね」

ホント、わたしってば本人より落ち込んでるんじゃ、世話ないよね。

「なあ、陽菜。約束通り、初姫神社に行かないか?」

力なく俯いたわたしに、圭介は優しく声をかけたのだった。