優しいカレの切ない隠し事



「圭介!お帰りなさい」

パタパタと小走りで駆け寄るわたし。

なんだか、新婚さんみたいじゃない?

なんて、自分で自分の行動にウットリしてみたり。

「ただいま、陽菜」

圭介はニコリと笑顔を浮かべると、おでこにキスをした。

何だか前よりいい雰囲気。

すれ違った分、より『好き』の気持ちが強くなったらいいな…。

「いい匂いがすると思ったら、ご飯作ってくれたのか?ありがとう」

圭介はネクタイを外しながら、ちょうどダイニングテーブルに置いたご飯を眺めている。

「だって、朝は作ってくれたじゃない。お礼だよ」

ご飯といっても、簡単なオムライスにサラダとスープだけ。

それでも圭介は、美味しそうに食べてくれたのだった。