『先にマンションへ帰ってて』

夕方、スマホにそんな圭介からのメールが入っていた。

今まで通り、当たり前に圭介のマンションへ帰ることを許してもらえるなんて幸せ。

仕事をキリのいいところで終わらせ、早々に圭介のマンションへ帰ったのだった。

「そうだ!晩ご飯でも作っておこうかな」

朝は圭介が作ってくれたんだし、これくらいしないとね。

でも、それならいっそ、同棲をしちゃった方がいいのかな?

プロポーズが遠のくとか、そんなことを言ってるから、わたしたちはすれ違ったんだし。

そうだ、それがいい。

圭介に話してみよう。

「二人で同棲かぁ」

考えれば考えるほど、顔がニヤけてくるのに、あの時どうして同棲を断っちゃったんだろう。

ますます自分に後悔しながらご飯を作っていると、圭介が帰ってきたのだった。

「陽菜、ただいま」