重荷…。
「でも、それなら結婚をしたいって考えないと思うんですけど…」
絵馬に書いた二人の願いは、ウソじゃなかったはずなのに。
すると、栞里さんは小さく頷いた。
「そう。わたしは、圭介の優しさに気付けなかったの。構ってもらえないことばかりを不満に思って、涼太に愚痴をこぼしてた。わたしたちね、本社で一緒だったことがあるから」
「涼太さんとも、親しかったんですか？」
「うん。涼太と圭介は昔からライバルで、何かと仕事で競い合ってたの。あの頃は、二人はそれなりに仲が良くて、わたしも自然と涼太とも親しくなってた」
それで、涼太さんが寝取ったってわけか。
圭介にとっては、彼女とライバルの二人を失ったようなものよね。
それにどれほど傷ついたことか…。
「前に研修で、涼太さんが言ってました。圭介の方がオレを嫌いなはずだって。その意味がよく分かりました」
