優しいカレの切ない隠し事



すると、圭介はゆっくりと首を横に振った。

「引くわけなんかないだろ?嬉しかったんだよ」

「嬉しかった?」

頷く圭介は、耳が真っ赤だ。

コホンと咳払いを一つして、気恥ずかしそうにわたしを見た。

「その話は、近い内に必ず。だから、待ってて」

「う、うん」

近い内に必ず?

待ってて?

それって、プロポーズをしてくれるってこと?

ドキドキ鼓動を高鳴らせながら、圭介が作ってくれた朝ご飯を食べ切った。

その間、わたしも圭介もどこか恥ずかしくて、会話が出来なかったけど、出勤前にしたキスで心の中は満たされたのだった。