優しいカレの切ない隠し事



舌を絡ませるキスに、頭が芯からクラクラする。

気付いてるかな…?

圭介はキスをする時、わたしの頭に手を添えることを。

最初は優しく触れる程度だけど、だんだんとその力が増してきて、いつの間か髪はぐちゃぐちゃ。

だけど、それはわたしたちの甘い夜の始まりを意味するもので…。

「け、圭介…」

手が胸にきてる…。

かろうじて名前を呼んだけど、その後は喘ぐ声が出てしまった。

「陽菜は、ここが一番感じるんだろ?オレは、感じてる陽菜に感じるんだ。だから、恥ずかしがらなくていい」

「圭介ってば…」

言葉だけでも感じちゃう。

なんて、恥ずかしいから言わないけど。

そっとわたしを抱きかかえた圭介は、ベッドへ優しく下ろした。

だけど、知ってる。

優しくて、穏やかな圭介はここまでってことを。

ここから先は、わたしだけに見せる圭介の『オトコ』の顔。