「最初逢った時羽山は泣いてた。」

少し俯いた龍平。

何も言えない俺。

2人の間に沈黙が続いた。

「羽山は翔太を助けるために女子集団から守ったらしい。だけど守ったのはいいけど次は自分がイジメのターゲットになったそうだ。」

龍平の言葉を思い出し一度羽山が自分の手首を切ろうとした時を重ね合わせた。
じゃあ、羽山は俺のせいで死のうとしたのかよ…何もわかってなかったのは俺の方だ。

「今から羽山に謝って来る。」

「ちょい待て、謝ってどうするんだ。」
「イジメを俺が1人で解決する。」

「残念。それは俺が解決しました。」

龍平は得意気にVサインした。