「俺らの中に入る勇気はあるか?」
驚いたままの私に茜はまた話しかけた。
「え?」
俺らの中って、なに?
小首を傾げた私に向かって、茜は横にいる四人に目線を向けた。
「俺らの中に入って、もう一度人を信じてみる勇気はあるかよ?」
ニヤリ、笑った茜。
その横で、朝陽さんが口を開いた。
「紹介が遅れたな、ごめん。
俺らは──白龍だ」
薄々、気づいてた。
けど、でも、本当に?
茜と朝陽さんが。
──白龍。
このちょっと大きい街で、青嵐とずっと敵対し続けている暴走族。
この人たちが、白龍。
目の前の五人は、他の人とは違う強烈なオーラを持っていて。
私とは違う、強い瞳で。
目の前にいるだけなのに、圧倒されるような何かがある。
この人たちの、中に私が──?
「俺は副総長、知ってる通り吉田朝陽だ」
「…総長の、菅田 美影(かんだ みかげ)」



