私の噂の内容を知ってるんでしょ？


なのに、




「なんで、私と一緒にいたの？」



目線を落として、そう言うと鼻でフッと笑う音が聞こえた。





「それは嘘だってお前が言ってたからだろ」





顔をあげると、バカにしたような顔の茜があった。





…うん、言った。言ったよ。




信じてくれた、そのことが私の心をすごくすごく、暖かくさせる。


嬉しい。

ものすごく。



だけど。なのに。





「…そんなのおかしい」



バカみたいに臆病な私の口からはそんな言葉しかでなかった。



だって今まで誰も信じてくれなかったのに。


まだあって全然日にちも経ってないのに。


茜が私の言ったことを信じてくれたなんて信じられないんだ。




…だって、おかしいよ。





「なにがおかしいんだよアホか」



私の心の内を知ってか知らずか、口調は悪いけどどこか優しさを帯びた表情で茜は私を見てきた。