あ、あぁそうだった。
わたしだって知りたいことが山ほどあるんだ。
朝陽さんの言葉で我に返った私は、姿勢を整えた。
前にいる5人もなんだか、真面目な顔になる。
「──まず、先に謝っておく。ごめん日向ちゃん」
「え!?」
目の前で、頭を下げた朝陽さんに私は慌てることしかできない。
なんで、謝るの?
だって私、別になにも…。
「俺日向ちゃんと会った次の日、日向ちゃん訳ありっぽくて気になって。こいつにいろいろ調べさせちまった」
黒髪くんを指差しながら、ほんとうに申し訳なさそうに私をみてくる朝陽さん。
…調べたって?
そこまで考えたときに、ハッとして心臓がドクンと嫌な音を立てた。
──どれを、知られた?
過去?青嵐との噂?
私の様子がおかしかったからなのか、なんなのか。
朝陽さんは慌てて口を開いた。
「いや!そんな不安そうにすんな?日向ちゃんが青嵐の元姫だってことを知っちまったんだ!」
──過去を知られてなくてよかった。
そう、ほっとしたのも束の間で次の言葉に私の胸は締め付けられた。
元姫だってことを、知ってたの?
この間会った時も?
てことは私の噂も知ってるんだろう。
じゃあ、
「…茜は知ってたの?」
「あぁ」
いつもとは違う、真面目な顔のままでそう言った茜。
なんで?
なんでこの一週間私と一緒にいたのに、そのことに触れてこなかったの?
なんで私と、一緒にいてくれたの?