何往復かすると、つまらなくなったのか私の第一ボタンだけ空いたブラウスに手をかけていた。




「やめて!!!離せって言ってんの!」





耐えきれなくなって大声をだせば、凶虎の総長は怒ったように口を開く。




「うるっせんだよ!!マジ萎えた、ナメてんじゃねぇぞ!!」



そして、そんな怒鳴り声に肩を揺らすと同時に、肩に蹴りが飛んできて、私は固いコンクリートの床に頭を打ち付けた。





「…うっ、あ」



痛い、痛い。


もう、体を起こす気力もない。


生暖かいモノが額に垂れてくるのが分かった。


浅い呼吸で、霞む視界で、どうか茜が来ませんようにと願う。





何分経ったかは分からない。


意識も朦朧として来た時、凶虎の総長がさっきの5人に声をかけて私のところへ歩いてきた。




「残念だが、時間切れだ」




よかった、茜、来なかった…。


逆に、場所も言ってないのに来れるわけ無いけど。




“茜を巻き込まずに済んだ。”





そのことに安心して、私は意識を手放───










………ブォンブォンブォン!







─────せなかった。





遠くから、だんだん近くへ。




聞こえてくるバイクの音に、私は閉じかけていた目を開いた。