「…っ」



5人の目が据わった、様子がおかしいヤツら。



絶対、この人たちおかしい。




…もしかして、薬でもやってる?



嘘でしょ…?



どうしようもう手段がない。




「チッ、なんで1人しかアド入ってねぇんだよ!!!あー!!もういいやコイツで!どうせこいつも青嵐の仲間だろ!?」




横でそう叫んでいる声が微かに耳に聞こえてくるけど、私はそれどころじゃない。



伸びてくる手、外されたリボン。


気持ち悪い。




「やめっ、やめて!!やだ!」




ぼたぼた流れてくる涙は止まらない。


力を振り絞って暴れるけど、意味もない。


口から流れた血が、顎を伝ってスカートに垂れた。




それが視界に入って。


ああなんかもうダメかも、諦めそうになった時、耳に何かが当てられた。





『…い、おい?何の用だよ?』




冷たく固いソレからは、聞きなれた声。


私を安心させるように、鼓膜を揺らす。



巻き込んじゃダメだ、分かっていたけど。


彼は関係ない、分かっていたけど。





つい、叫んでしまった。





「──茜…!助けてっ…!!」