それから今日までの一週間はいままでにないくらい明るかったらしい。





なんなんだ?

俺らはタブーを犯しちゃったんじゃなかったのかよ?





…分からねぇ。



何で今になって罪を認めた?

何で笑顔なんだよ?






何で、なんで──。



そこまで考えたところで、我に返った。




裏切り者の、ましてや柚姫をいじめてたやつを気にするなんて俺は馬鹿か。


気にすんな、アイツのことなんか。



頭に浮かんだアイツの笑った顔を、頭を振って消す。


そしてタイミング良く、歩と海が倉庫に入って来た。




「おはよ!はえーな茂!」


「おーなんか気分だったんだよなー」


「って、夕も中哉もいるじゃん」






こんな朝っぱらから、5人集合か。


珍しいな。


嫌な予感しかしねぇ。





そう思ったのと同時くらい。中哉の携帯が音を上げた。







──プルルルル、プルルルル



規則的な電子音。



こんな朝っぱらから。



それも幹部以外のヤツ…?



“何かあった”そう思ったのは皆一緒だったらしく、顔に力がこもった。




───ピッ




「…だれだ?」



きっと非通知だったのだろう。


低い声でそう聞いたあと、中哉は眉をピクリと動かしすぐさまスピーカーにした。





「凶虎(キョウコ)だ」


そして、スマホの口のところを抑えて、中哉は俺らにそう告げた。





いったい何の用なんだよこんな朝から。