真実と嘘〜Truth or Falsity…*〜【上】






─────次の日。



事件は起きた。



朝、起きて。


ご飯を食べて。


家をでて。…ここまでは順調だったんだ。



だけど。



道を歩いてる時に、後ろから話しかけられた。


「キミが花崎日向ちゃん?」


「…は?なんですか?」


気づくと後ろに、いかにもなワゴン車が止まっていた。


そしてその車から降りてくる、口にバンダナをつけた、いかにもな男たち。



…やばい、そう思った時には遅くて取り囲まれていた。


「キミが花崎日向ちゃんだよね?」


「そう、ですけど」


「ちょっとついて来てもらえるかな?」


グイ!!引っ張られたのは、腕にあるアザのところ。




「ちょ、イタ…!やめてよ!」



痛みで、気づけば足がでてしまって、そいつの鳩尾に丁度良く綺麗にめりこんだ。



…やばい。



「うっ、」


そういって地面に崩れていく不良をみて、冷や汗が流れた。



だって、車に乗ってたのはいま倒したこいつも入れて5人。


つまり残りは4人。





…絶対、無理。




「ぁあ!?テメェなにしてんだ!!」



「え、してませんしてません!この人がちょっと倒れちゃって!だ、大丈夫ですかね?」



「ごまかせるとでも思ってんのかよ!鳩尾にメリこんでたろーが!!」



「ひぃぃ!ごめんなさいぃぃ!!」



しらばっくれてみたけど駄目だった。


ど、どうしよう。




「おい、こいつ縛れ」





やばいっ…そう思った時には遅くて。





────ガン!!



頭に固い何かが当たっていた。


痛い…。



そう思ったところで私は意識を手放した。