「でもまぁ、そーゆーやつが現れてよかったな」
「はい!とはいっても、会ったのはつい1週間前なんですけどね!」
そんな感じしないけど。
そうつけたして言うと、朝陽さんは全てを見透かしたように優しく笑った。
「なんかあったら、頼ってくれていいからな。俺達は、日向ちゃんの味方だ」
「はい!!もちろんです!ありがとうございます!」
──朝陽さんの言った“俺達”と、わたしの捉えた“俺達”は少し違かったのだけれど。
そんなことには気づかず。
他愛もない話をして、1時間ほどバーで過ごした。
「楽しかった!龍騎さん、朝陽さんもありがとう!」
「いやいや、こっちこそ来てくれてありがとな。また来週、来れたら来てくれよ」
「はい!もちろん!」
朝陽さんの話を聞いて、朝陽さんの友達には個性的な人がいっぱいいるんだとわかった。
…朝陽さんは苦労人だ。
がんばれ、心の中で応援しながら私はバーを後にした。



