真実と嘘〜Truth or Falsity…*〜【上】



「でもまぁ、そーゆーやつが現れてよかったな」


「はい!とはいっても、会ったのはつい1週間前なんですけどね!」




そんな感じしないけど。



そうつけたして言うと、朝陽さんは全てを見透かしたように優しく笑った。




「なんかあったら、頼ってくれていいからな。俺達は、日向ちゃんの味方だ」


「はい!!もちろんです!ありがとうございます!」






──朝陽さんの言った“俺達”と、わたしの捉えた“俺達”は少し違かったのだけれど。



そんなことには気づかず。


他愛もない話をして、1時間ほどバーで過ごした。




「楽しかった!龍騎さん、朝陽さんもありがとう!」


「いやいや、こっちこそ来てくれてありがとな。また来週、来れたら来てくれよ」


「はい!もちろん!」




朝陽さんの話を聞いて、朝陽さんの友達には個性的な人がいっぱいいるんだとわかった。




…朝陽さんは苦労人だ。


がんばれ、心の中で応援しながら私はバーを後にした。