少しの間の後、いつの間にか後ろにいたピンクと赤茶にビビりながらもう一度聞き返す。
「「は?」」
なんの冗談だよ、金髪はちょっと焦ったように呟いた。
カタ、カタカタカタ、タン。
その学校の裏サイトのようなものを開いて黒髪はマウスを素早く動かす。
「現姫いじめ。暴力、男を使って無理やりヤらせた。うわ、ひでぇ。姫でもないのに気に入られた現姫に嫉妬して、幹部と総長に追い出された。裏では親もいないから援交して稼いでるらしい。………すげぇ書かれようだけど。この現姫虐めが本当なら、お前らこいつと関わんねぇほうがいいだろ」
いま黒髪が読み上げた言葉に戸惑っていた金髪は、最後の言葉で花崎日向の言っていたことを思い出した。
「…俺はそいつと関わるって決めたんだよ」
『嘘だよ──全部』
『“そのこと”を知ったら、無視してくれて構わないから』
頭に浮かぶのは、あの少女の悲しそうな顔。
『喧嘩を教えてほしいの──お願い』
真剣に頭を下げてきた顔。
「でも、これがほんとだったら」
「…噂なんか信じねぇ」
吐き捨てるように言ったその言葉に、少し戸惑っていた茶髪も顔をあげる。
「火のないところに煙は立たねぇ、んなのは知ってんだよ。でも俺らは、今まで別の奴らに火をつけられて立ち上った煙に苦しめられた奴らを見たことがあんだろ」
「……」
「だから俺は噂は信じねぇ。あいつは、それは全部嘘だって言ってたんだ。少なくとも俺は、あいつって言う人を知ってんだ。そんなことするようなヤツじゃないっつーのも知ってるつもりだ。
なら、あいつを信じるしかねぇだろ」
「だ、よな。ごめん茜、俺一は瞬迷っちまった。ましてや龍騎の気に入ってる子がそんなことするはずねぇんだよな」
最後はいつものニッコリ笑顔つきで茶髪は決心したような顔をする。



