そして、そいつも倒れて。
驚きを隠せない私を置いてきぼりにして茜が普段の調子で、私の方を向いた。
「あー弱ぇ。ダメだな、これじゃあ喧嘩の手本にもなりゃしねぇ」
ポカンと、茜を見ていた私だけど。
だんだんとテンションは急上昇していき。
身を乗り出して茜に話しかけた。
「なんで後ろからきてるの気づいたの!?なんであんな威圧感だせるの!かっこいい!!」
「あ、そ、そうかよ?まぁ俺強いから当然だけど?」
「いや別にそれはどうでもいいけど、なんでなんで!?」
「どうでも……まぁ、後ろから来てんのに気づいたのはあれだ、慣れだ慣れ。やってりゃ身に付く。威圧感?とかも喧嘩しまくってれば身に付くだろ。あ、お前にはそれに慣れさせるための特訓しなきゃだな」
「おうよ!」
すごかったなぁ、なんて考えながら元気よく返事した私。
そんな私を見てから時間を確認した茜は、
「じゃあ今日はこれにて解散。また明日な。急所覚えろよ」
そう言って歩き出した。
そんな茜を追いかけて公園の外に出れば、茜は私に背を向けたまま私の帰り道とは逆の方向に歩いて行ってしまう。
「はーいじゃあねー!」
そんな背中に声をかけて、私も背を向けて歩き出した。
頑張ろう、強くならなきゃ。



