「…まぁ茜がパン大好きってことはよくわかったよ。だがね、しかしね、私はライス派なの!パンの気分のときもないわけじゃないけど基本はライス派なの!」
「おいおばちゃん、メロンパンとチョコパンと…あ、これ新しいやつか?」
「それは新作だねぇ、みるふぃーゆ?意識したとかなんとか言ってたよ」
「ケーキ系ってことか…。ん、それもちょーだい。あと焼きそばパンな」
あ、はい。無視ですか無視ですね。
知ってた、知ってたよ茜がそう言うやつだって。
…てゆーかめちゃめちゃ買ってるよね?それも何気に甘い系。
いやいや、こんぐらいが普通なの?
「毎回ありがとねぇ」
「ここのパンが一番うめぇからな」
「そうかい、そう言ってくれたら主人も喜ぶよ」
「じゃーな、また明日もくる」
「うんうん、またおいで」
手を可愛くふっている、ゆるふわおばちゃんを背中に歩き始めた茜に小走りでついていく。
「ずいぶん仲良しなんだねぇ。茜不良なのにねぇ。優しいところあるんだねぇ。笑顔で会話してたねぇ。てゆーか甘いもの好きなんだねぇ。そうなんだねぇ。へぇー、へー……ぶべ!!」
横からニヤニヤ笑いながらそう言うと、最初は無視してた茜。
だんだん怒りがたまってきてたらしく、いきなり飛んできた手が私の両頬を鷲掴みにした。
…調子乗りましたごめんなさいごめんなさい。
「黙れる…よな?」
「………ふぁい」



