真実と嘘〜Truth or Falsity…*〜【上】




「…まぁ茜がパン大好きってことはよくわかったよ。だがね、しかしね、私はライス派なの!パンの気分のときもないわけじゃないけど基本はライス派なの!」




「おいおばちゃん、メロンパンとチョコパンと…あ、これ新しいやつか?」


「それは新作だねぇ、みるふぃーゆ?意識したとかなんとか言ってたよ」


「ケーキ系ってことか…。ん、それもちょーだい。あと焼きそばパンな」




あ、はい。無視ですか無視ですね。

知ってた、知ってたよ茜がそう言うやつだって。



…てゆーかめちゃめちゃ買ってるよね?それも何気に甘い系。


いやいや、こんぐらいが普通なの?




「毎回ありがとねぇ」


「ここのパンが一番うめぇからな」


「そうかい、そう言ってくれたら主人も喜ぶよ」


「じゃーな、また明日もくる」


「うんうん、またおいで」



手を可愛くふっている、ゆるふわおばちゃんを背中に歩き始めた茜に小走りでついていく。



「ずいぶん仲良しなんだねぇ。茜不良なのにねぇ。優しいところあるんだねぇ。笑顔で会話してたねぇ。てゆーか甘いもの好きなんだねぇ。そうなんだねぇ。へぇー、へー……ぶべ!!」


横からニヤニヤ笑いながらそう言うと、最初は無視してた茜。


だんだん怒りがたまってきてたらしく、いきなり飛んできた手が私の両頬を鷲掴みにした。





…調子乗りましたごめんなさいごめんなさい。






「黙れる…よな?」



「………ふぁい」