真実と嘘〜Truth or Falsity…*〜【上】




上から優しい、暖かい声が降ってきて、朝陽さんだったんだと気付いた。



そのことに余計、なんでかわからないけど安心して、あたしは朝陽さんの服の裾をきゅって握った。




自分を落ち着かせるように三度深呼吸して、「もう、大丈夫です」そう呟くと、朝陽さんは私の背中に回してた手を離して、私から離れる瞬間優しく笑って頭を二回ぽんぽんと叩いた。


離れた朝陽さんによって、あたしの視界に深刻そうな顔をしている、日向の仲間たちとお兄ちゃんが入った。



「日向は、あたしに過去を知られることをものすごく拒絶してた。──怖がってた、だから、」



「わかってる、俺、無理に聞き出したりしねーから」


私の言葉に頷いて、そう呟いた中森幹生はどこか遠くを強く見つめている。


そんな中森幹生の言葉に賛同するように、私をみて軽く笑った松本隆。


「大丈夫、俺らみんなちゃんとあいつが話すまで待つからさ」


さっき激しい中二病発言をしていたとは思えないような、強い瞳で見つめられて、あたしは余計な心配だったかななんて思った。