伽耶に知られるかもって思った時、『嫌だ』って思った。
知られたくないって、拒絶した。
私の全部が。
おかしいな、私は青嵐には“依存”してたんだから、本来なら青嵐に過去を話すことの方が億劫になるはずなのに。
なんでだろう。
──────あ。
そこまで考えて、自分の心の中に気づいてしまった。
パッと顔を上げると、近くを通りかかる人が私の方をチラチラみてきていて。
電柱に寄っかかってるのは怪しいよねそういえば、なんて思って背中を離して家へ足を進めた。
家に早く帰って寝て、全てを忘れてしまいたくて、自然と足が速くなる。
気づくと、自分の玄関の扉をバタン!!乱暴に閉めた時には、息は上がって、額にはうっすら汗が滲んでいた。
家の香りに落ち着いて、私は靴を脱ぎ捨てソファーにダイブした。
上がる息を整えて、ソファーのクッションに顔を埋める。
──私は、“過去を話す”この行為がトラウマになっちゃってるんだ。
さっき、たどり着いた答えをまた頭に浮かべた。
過去を話す────この行為が、トラウマになっちゃってるんだ。
青嵐に信じて貰えなかったとき、『好きな女のことしか信じない、最低な奴ら』そう思うのと同時に、『私が汚いから、私の過去が汚いから、私のことを信じてくれなかったのかな』そう思っちゃったんだ。
今は、それは違うってちゃんとわかってる。
──わかってるけど、怖い。
『嫌い』『大嫌い』彼らにいわれた言葉は、忘れたようでまだ私の心にこびりついている。
ながれない、消えない、その言葉。



