龍騎さんはそう言って、またお客さんのところにいってしまった。 「日向ちゃん、高校生?」 「はい。高二です」 「俺の一個下かー。…あれ、このアザどうしたの?」 ドクン、と心臓がなった。 お腹にある、中哉に蹴られてできたアザ。そこの部分に、焦って目をやる。 みえて、ない。 お腹の見えない服を着てるから、あたりまえって言ったらあたりまえなんだけど。 見えてなかったことにやけに安心して、そっと息をはいた。